お歳暮を宅配便で配達してもらうなら、添え状や送り状を送りましょうとよく言われます。ネットの記事や礼儀作法の本にも、品物だけが突然相手の家に届くのは失礼に当たると書いてあります。
この場合の添え状や送り状は、本来の意味とは少し違っています。お歳暮を送る際の添え状と送り状はどう言うものなのでしょうか。
今回は
- お歳暮の時に使われる添え状と送り状はどう言うものなのか。
- 添え状と送り状には違いがあるのか
について、はっきりさせたいと思います!
本当はこんな意味「お歳暮の添え状と送り状」
添え状
何か物品に添えてやる手紙(新明解国語辞典 三省堂より)。
例えば書類を送る時に、内容をはっきりさせるために添えるのが添え状です。会社に宛てた郵便物に対して、【履歴書 1通、職務経歴書 1通】などと書いて添える書類の事です。
送り状
運送時に荷物を送る人から受け取る人に送る内容証明書・納品書(新明解国語辞典 三省堂より)。
今では宅配便に付ける配達伝票(荷物の届け先を記入する紙)を送り状と呼ぶこともあるそうです。
お歳暮の時の「添え状」「送り状」はこんな意味
しかしお歳暮を送る時には、
- 添え状は贈る品物の内容をはっきりさせるためのもの。
- 送り状は贈る品物の内容だけでなく、日頃の感謝の気持ちや相手を気遣う挨拶、自分の近況を知らせる文章まで記した手紙。
となっています。
添え状と送り状ははっきりと区別されているわけではなく、両者が同じ意味で使われる事もあります。
送り状をお歳暮の荷物の中に入れたら、法律違反!
今の日本の法律では、宅配便の荷物に手紙を入れてはいけないと言う事になっています。荷物と一緒に入れても良いのは、封筒に入っていない伝票類となっています。だから内容を証明するだけの添え状なら入れても法律違反にはならないでしょう。
封筒に入っていない以上、書いてある文章は誰の目に留まるかわかりません。あまり込み入った事は書かない方が無難です。
「〇〇様
今年一年お世話になった感謝の気持ちを込めて、こちらの名物の狭山茶を贈ります。ご笑納頂ければ、幸いです。
〇〇(自分の名前)」
これくらいの簡単な物で封筒に入っていなければ、添え状と言う事になるのではないでしょうか。
荷物より先に届く送り状のメリット
送り状はお歳暮の品物に同封できないと先ほど言いました。でも、これには良い点があると私は思います。荷物より先に送り状を相手に届ける事ができるからです。12月〇〇日の、〇〇時頃に荷物が届くと知らせる事で相手の方も心づもりができます。
冷蔵する必要のあるものなら、冷蔵庫のスペースを空けたり、宅配便が来る日がわかっていれば、予定を変更したりできるのです。お歳暮で宅配便が混み合う時期に再配達を頼むのは、時間がかかるし申し訳無さで気がひけるので、予め知らせてくれれば助かる、と感じる人も多いでしょう。
先程と同じお歳暮を送る想定で、送り状を書いてみます。
「拝啓
そろそろ紅葉も終わりに近づいて、寒さが厳しくなってまいりました。〇〇様に於かれましては、お変わり無くお過ごしの事と存じます。我が家も皆相変わらずで、賑やかにやっております。
〇〇様には日頃何かと気にかけて頂き、感謝の念に耐えません。この場を借りて厚く御礼申し上げます。
感謝の気持ちとして少しばかりですが、別便にてこちらの名物の狭山茶を贈ります。12月〇〇日頃に到着致しますので、ご笑納頂ければ幸いです。
これから寒さも一段と厳しくなってまいりますが、風邪などひきませんよう、くれぐれもご自愛ください。またお目にかかる日を楽しみにしております。
敬具」
こんな感じの内容になると、十分に相手とのコミュニケーションがとれますね。送り状を受けとる相手もお歳暮もさることながら、久しぶりに受け取る手紙を嬉しく思うのではないでしょうか。
お歳暮の【添え状】とは?まとめ!上手く使い分けよう「添え状と送り状」
添え状と送り状、両方にメリットはあります。
添え状のメリット
- 荷物に同封できて手軽(お歳暮を購入した商店では断られる事が多いでしょうが…)
そんなに長い手紙を書く間柄で無ければ、添え状で良いと思います。すごく親しい間柄でも、かしこまった手紙は不要でしょう。
予め知らせる必要のない、気軽に受け取れる品物(消費期限が長い、軽くてかさばらないなど)なら、添え状で良いのではないでしょうか。 - 改まった手紙を書くより、添え状の方がハードルは低い
挨拶文が要らないと言うだけで、気楽に書けると思います。これで慣れたら、送り状を書くようにしても良いですね。
送り状のメリット
- 相手に荷物を受け取る心づもりをしてもらえる
宅配便を受け取る日程や冷蔵庫のスペースを空ける事などについて、事前に考えてもらえる。 - 相手とのコミュニケーションになる
近況を知らせたり、相手の体調を気遣ったりする事でより一層良い関係になれる。
送る相手との関係や、送る品物によって添え状と送り状を上手く使い分けると良いですね。
わざわざ送り状は送らなくても良い、と言う意見も多く聞きますが、送り状を送った方がやっぱり親切、私はそんな気がするのです。