お歳暮を贈る側の人はもちろんのこと、いただく側の人も、どこか心の負担になっていませんか?
長い間通例となっているから今更やめられない・・・
突然お歳暮を頂く間柄になってしまったけれど、本当は辞退したい・・・
特にビジネスの場においては、お断りすることで取引が不利益にならないか、関係性に溝ができないかと、どのように切り出せばよいか悩みは尽きません。
今回は、お歳暮を辞退したいときの文例を、ビジネスの場を中心にして紹介していきましょう。
お歳暮辞退の文例3選!
文例1
(企業間などビジネスの場で、今回は受け取り次回より辞退を申し出る場合)
師走の候、貴社ますますのご清栄のこととお喜び申し上げます。
さて、この度はお歳暮の品をお送りくださいまして、誠にありがたく存じます。
平素から何かとお気遣いいただいておりますのに、大変恐縮でございます。
今回はこの温かいご好意に感謝しありがたく頂戴いたしますが、弊社ではお取引様からのご贈答は遠慮させていただいております。
今後は、季節のご挨拶などお気遣いなさいませんようお願い申し上げます。
はなはだ勝手ではございますが、今後とも変わらぬお付き合いをいただけましたら幸いでございます。
年末ご多忙の折ではございますが、皆様ご自愛なさって良い新年をお迎えくださいませ。
敬具
文例2
(企業間などビジネスの場で、今回も受け取れない場合)
初冬の候、皆様におかれましてはますますご清祥でご活躍のこととお喜び申し上げます。
平素は格別のご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、この度はお歳暮の品を頂戴いたしまして誠にありがとうございます。
お心遣いに深く感謝しますと共に、弊社ではコンプライアンス上、お取引様からの贈答品は辞退せねばならない旨をお伝えしたく、ご連絡差し上げました。
せっかくのご好意に大変失礼ながら、別便にてご返送いたしますことをお許しくださいませ。お気持ちはありがたく頂戴したいと存じます。
今後はこのようなお心遣いはなされませんようお願い申し上げます。
末筆ながら貴社の一層のご繁栄を心より祈念いたしまして、お礼とお願いを申し上げます。
敬具
文例3
(ビジネスの場で、相手が部下など社内の場合)
本社を離れ〇年となりましたが、貴方様のご活躍は未だ鮮明に記憶しております。
さて、この度はお歳暮に心温まるお品をお送りいただき、誠にありがとうございます。
お気持ちは大変うれしく、ありがたく頂戴いたしますが、年末の忙しい折にこのようなお手間を取らせますことを心苦しくも思います。
今後はこのようなお心遣いは無用でございますことをお願い申し上げます。
気ぜわしい毎日ですが、体調を崩されませんようくれぐれもお身体お大事にお過ごしくださいませ。またそちらに顔を出す機会を楽しみにしております。
まずは書面にてお礼とお願いまで。
ビジネスにおけるお歳暮辞退の理由
さて、お歳暮辞退の文例を紹介してみましたが、ビジネスの場においてお歳暮を辞退するにはどのような理由があるのでしょうか。
最近で多い理由としては、お歳暮が「取引先への贈答品」としてコンプライアンス違反だとみなされ、企業間でのお歳暮のやりとりが禁止されているという内容です。
もちろん、経費削減という費用面での問題もあるでしょう。
また、企業間だけではなく、社内で上司にお歳暮を贈ることがハラスメント問題になりかねないとして、社内間でのお歳暮の習慣も禁止している企業もあります。
社員の負担を考慮して、という理由もあるでしょう。
というように「我が社はお歳暮が禁止されている企業だ!」と、周囲にも理解してもらえていれば問題ないのですが、そうとは知らずにお歳暮を贈ってくれる取引先もあるでしょう。
ときには「本年度よりお歳暮禁止!!」と、突然のルール変更が下されてしまおうものなら、それはもう辞退の言葉を考えるだけで大きな負担となります。
上の文例を引用しながら、誠意をもってお断りの言葉を伝えましょう。
お歳暮を辞退する場合のマナー
辞退の言葉だけマナー通りにしてもいけません!
補足として、次の事柄もマナーとして留意しておいてください。
・コンプライアンス上、どうしても受け取れない場合は、一旦受け取った後にお礼と贈答禁止である理由を記した手紙を添えて送り返す
・配達されたときに、配達員に対して受け取り拒否を行う行為は最も相手に不快な印象を与えてしまうため、必ず避ける
お歳暮を辞退したいときの文例紹介!【まとめ】
ビジネスの場においては、コンプライアンスの問題だとか、会社の都合だとか、個人の気持ちとは別でお断りすることができるので、今回のような文例を参考に辞退の申し出をすることができそうですね。
では、個人間でのお歳暮の辞退の場合はどうでしょうか。
文例こそは少し異なってくるかもしれませんが、“気持ちはうれしい、でも申し訳ないから今後は無用”という流れは同じです
どちらの場合でも、誠意とマナーを守って相手に伝えることを忘れずに。