誕生日やクリスマス、バレンタイン、お祝いの席や自分へのご褒美など、普段は甘いものをセーブしていてもどうしても食べたいときってありますよね。
「バレンタインのいただきものを食べられないのは申し訳ない」
「今日はどうしてもケーキを食べたいけど血糖値が気になる！」
「血糖値を上げない食べ方は無いの？」
そんな疑問をお持ちの方のために、血糖管理のプロである管理栄養士がお答えします。
結論から言うと、「全く」血糖値を上げない食べ方というのはありません！
しかし、工夫次第で血糖値の急上昇を抑えることは可能です。血糖値の基本から血糖値を上げにくい食べ方まで、解説します。
食事について医師から指示を受けている人や、何らかの疾病がある方は病院からの指示を最優先にしてください。
そもそも血糖値って上がっちゃだめなの？
血糖値って上がったらいけないものだと思っていませんか？
健康な範囲だったら上がって大丈夫です！
ご飯やケーキを食べて血糖値が上がっても、健康な人ならば膵臓の働きによって正常な範囲にコントロールされますから、そこまで心配する必要はありません。
血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖の濃度のことです。
簡単に言うと、「血の中にどのくらいエネルギーがあるか」ということです。
ご飯やケーキなどを食べると、血液の中にエネルギーが取り込まれ、全身に送られます。これが使われると、血糖値が下がり、また何か食べることで上がります。
血液の中にエネルギーが無さすぎると、「低血糖」状態となり、動機や冷や汗、手の震えなどの症状が出ることもあります。
血糖値は上げない方が良いものではなく、ほどほどで管理するものと考えましょう。
血糖値が高いとダメなのはどうして？
「血糖値が上がってもいいなら、どうして健康診断で怒られたの？」
ここまで読むとそう思いますよね。
これは、健康診断で調べる血糖値は「ご飯を食べた後の血糖値」ではなく「空腹時血糖」であることが関係しています。
健康診断で見る「空腹時血糖」などの血糖値関係の数値は、「血糖がうまくコントロールされているか」を調べるために見られています。
うまくコントロールされてさえいれば、「今日ケーキを食べた」「バレンタインデーでチョコレートを食べた」というような一時的なことはさして気にしなくていいということです。
血糖値がうまくコントロール出来ずに血糖値が高い状態が続くと、糖尿病や肝硬変、心筋梗塞のリスクも上がります。
「血糖値が上がるとダメ」という認識の原因はここにあります。
「一時的に血糖値が上がること」はOKですが、「コントロール出来ず血糖値が高い状態が続いている」ことがダメなのです。
バレンタインデーのチョコレートや、クリスマスのケーキなどはこの「一時的に血糖値が上がること」ですから、健康な人ならば気にしなくて大丈夫です。
ケーキの血糖値を上げにくい食べ方のポイント！
血糖値を上げない食べ方は無いと書きましたが、工夫次第で血糖値の急上昇を抑えることはできます！
ポイントは「よく噛んで食べること」！簡単なことですがとても重要です。
北海道大学の研究に咀嚼することでインスリンの初期分泌が促進されるという物があります。インスリンとは膵臓から分泌されるホルモンで、血糖値を下げる働きを持っています。
インスリンの初期分泌が増えることによって、血糖値が低く抑えられます。
糖質オフの物を選んで、甘さを控えめにして……という工夫よりも、まずは食べ方から始めてみるのがオススメです！
よく噛んで食べることは、食欲の抑制にも効果がありますから、ダイエットにも効果的です。
ケーキの血糖値を上げない食べ方ってあるの？【まとめ】
血糖値のお話から「ケーキの血糖値を上げない食べ方はあるの？」という疑問にお答えしました。
「全く」血糖値を上げない食べ方はありません。しかし、工夫次第で血糖値の急上昇を防ぐことは出来ます。
急激に血糖値を上げない食べ方は「よく噛んで食べること」です。
よく噛んで食べることで、食欲の抑制や消化の促進にも繋がり、ダイエットにも効果的です。
ケーキを食べたいけど血糖値が気になる、バレンタインデーくらいは甘いものを食べたい！という方はよく噛んで食べましょう。
材料や作り方を工夫するより簡単ですし、普段の食事にも効果的ですよ！
健康な人ならば血糖値が上がることをそこまで恐れる必要はありません。
クリスマスやバレンタインデーは1年に1度のことですから、絶対に血糖値を上げたくないと怯えるのではなく、トータルでコントロール出来ればよいと思って、行事を楽しみましょう！
医師から指示のある方はそちらを優先してくださいね！
