お正月が近くなり、ふと「元旦に高い山から降りてくるものって何て名前だっけ?」
と思い出せずにいませんか?
それは年神様です。
年神様って年に一度位しか聞く機会はないので、名前が出てこなくなりますよね。
「そもそも年神様って誰なの?何なの?」と思う人もいるはずなので、年神様とは何なのかを解説します。
元旦に高い山から降りてくるものの正体とその理由
元旦に高い山から降りてくるものの正体である年神様。
ではなぜ年神様は高い山から家々にやってくるのでしょうか。
年神様は他の名前でも呼ばれていて、そのひとつに祖霊神があります。
祖霊神とは亡くなった人が一定期間を過ぎてご先祖様になり、その後生まれ住んだ地域の山に上り子孫を見守る神様のことです。
元旦になると、年神様は家々に幸せをもたらす為に山から降りて来てくれます。
私たち子孫の幸せの為にやってきてくれる年神様の正体とは、私たちのご先祖様だったのです。
八百万の神や仏教、神道の要素が入り混じり、年神様の言い伝えができたと思われます。
年神様を迎える準備
元旦に高い山から降りてくるもの、年神様をお迎えするには準備が必要です。
きちんとした方法でお迎えをして、年神様に家でゆっくりと過ごしてもらいましょう。
*大掃除
元旦にお招きする年神様にはきれいな清められた家で過ごしてもらえるようにしたいですね。
一年で溜まった埃や煤、その他の汚れをきれいにしておきましょう。
また水を使う台所やお風呂、トイレは不浄とされるので尚更きれいにしましょう。
大掃除は12月13日の「ことはじめ」から12月28日までに終わらせると良いとされています。
計画を立てて少しずつ大掃除を進めましょう。
*正月飾り(門松、しめ飾り、しめ縄、鏡餅)
門松は玄関や門の前に置き、年神様が家に来られる時の目印となるようにします。
しめ飾りは玄関や門の上部に飾り、不浄なものや穢れが入ってこないようにする結界になります。
正月飾りは12月28日までに飾るのが縁起が良いとされています。
12月29日は「苦立て」とされ、12月30日、31日は「一夜飾り」とされ年神様に失礼にあたりますので、早めに揃えて飾り付けをしましょう。
飾り方や飾り付けの日にちは各地方や各家庭によって異なりますので確認して下さい。
家にお迎えした年神様は鏡餅に宿るとされています。
年末が近くなると、たくさんの鏡餅が売られているので、買ってきたものを飾りましょう。
床の間がある家では床の間に、ない家では家族が集まるリビングやダイニングの高い所に置きます。
地域によっては年神棚、恵方棚と呼ばれる専用の棚を設けて飾る家庭もあります。
鏡餅は松の内(関東は1月7日、関西は1月15日)が過ぎたら、下げていただきましょう。
年神様が宿った神聖なものですので、有難くいただきます。
*お札
元旦に来られる年神様を祀る為にお札を飾ります。
年神様が宿る鏡餅を置いた場所にお札を飾りましょう。
お札は小正月の1月15日には外します。
外したお札はお炊き上げしてもらうか、お清めの塩と共に紙に包み、燃えるゴミとして処分します。
*おせち料理
おせち料理は年神様へ捧げるお供えです。
家族の幸せを願う意味もあるので、私たちも一緒に食べます。
五穀豊穣、子孫繁栄、家内安全、無病息災、長寿などの祈りを込めて縁起の良い山の幸や海の幸を使って作ります。
年神様が家におられる間のお食事になるので、ぜひ用意しましょう。
元旦に高い山から降りてくるものとは?【まとめ】
元旦に高い山から降りてくるものの正体は年神様。
年神様とは一年の幸せをもたらせてくれる神様です。
だからと言って何もせずに幸せをすぐ得られるわけではありません。
わざわざ元旦に高い山から降りて来てくれるのです。
「一年分の幸せ」を持って来てくれるお客様なので、おもてなしをきちんとしたいものです。
そして来年もまた来てもらいたいですね。
毎年来てもらえるようになれば「元旦に高い山から降りてくるものって何て名前だっけ?」と悩むことはなくなりますね。