正月を色鮮やかに彩る餅花。
みなさん、餅花ってご存じですか?
餅花は、小正月(1月15日)に飾る正月飾りです。
日本のある地域で今も受け継がれている風習。
枝に刺さっている色とりどりの小さなお餅が、まるで梅の花のようで春を感じさせてくれます。
小正月が終わったら、餅花を焼いて食べるとその年無病息災でいられるという。
今回を餅花の意味や由来、作り方などを解説します!
正月飾りで枝に餅を飾る「餅花」とは?
餅花はお正月ではなく、「小正月」に飾る飾りで、五穀豊穣、家内安全、商売繫盛などの願いが込められています。
小さく団子にした紅白のお餅を、ヌルデ、エノキ、ヤナギなどの木に付けて飾ります。
餅花は別名「繭玉」ともいい、東日本でよく見られます。
特に、熱海市の来宮神社の繭玉が有名で、昔熱海で盛んだった養蚕に由来してるといわれています。
また、長野県では「稲の花」、岐阜県では「花餅」と呼ばれ、他にも「生り餅」「団子飾り」など地域によって呼び方や形が異なります。
餅花は江戸時代にはすでに盛んに飾られていて、その由来は定かではありませんが、以下のような由来があります。
・鏡餅を八百万の神様にお供えする代わりに枝に餅をたくさんつけた。
・冬に生花の代わりに飾った。
鏡餅の代わりに飾ったとされる説はとても興味深い。
日本にはたくさんの神様がいますから、たくさんの鏡餅を用意するのは大変です。
枝に餅をつけて、それぞれの神様の依り代にした、ということですね。
ちなみに、餅花の飾り方は玄関に飾るのが一般的。門松と同様、年神様が迷わないための目印として置きます。
餅花の形のベースはどの地域も似たようなものですが、お餅の色や枝の使い方、由来など少しずつ微妙に異なるのが面白い。
実は、私今回はじめて「餅花」という言葉を知りました。
小さい頃から枝に餅がついた飾りを見ていましたが、「綺麗だな~。梅の花みたい」と思っていたのですが、あの飾りが餅花だったとは。
大人になって今知るとは恥ずかしいですが、日本人として生まれても知らないことがたくさんあります。
こんなに繊細で美しいものがある日本の文化は奥深いですね。
きれいな餅花を作ってみよう!餅花の作り方を紹介!
せっかくなので、日本の伝統的な正月飾り・餅花をせっかくであれば作ってみませんか?
お餅を小さく丸める作業はきっとお子さんも楽しめるはずです!
【材料】
・片栗粉・・・適量
・食紅(赤または好きな色)・・・適宜
・木の枝・・・適宜
【作り方】
以上が餅花の作り方です!
また、お手軽に作れる「餅花キット」や、プロが作った「餅花セット」というのもあります。
いずれも、2020年に滋賀県大津市にある和菓子屋「株式会社 叶 匠壽庵」から販売されていました。
ネット販売もしてましたので、2021年も発売されるかもしれません。
気になる方は要チェックです!
(株式会社 叶 匠壽庵公式HP:http://kanou.com)
自分で作った餅花でお正月を迎えたら、きっと特別な気分になるかも。
ぜひ今年はご家庭で餅花をお試しください!
正月飾りで枝に餅を飾る意味とその正体は?【まとめ】
今回は正月飾りの餅花について解説してみました!
ポイントは以下の通りです。
・玄関に飾るもの。
・地域によって呼び名、形は様々。広く伝わっているのは東日本の「繭玉」。
・餅花の由来は諸説あるが、江戸時代の頃にはすでに広く飾られていたものだった。
最後に、餅花は小正月が終わったら、すぐに片付けるか、1月20日の団子下げの日に片付けるのがマナーです。下げる日も地域によって違いますのでお住まいの地域の事情を調べてみると良いでしょう。
また、下げた餅花は、左義長(またはどんど焼きともいう)のときに枝の餅をちぎって焼いて食べたり、雛祭りのときに餅を雛あられにして食べるそうです。
最後まで楽しめるとは素晴らしいですね!
色鮮やかな餅花があると明るい気分になります。今年のお正月もステイホームになりそうですので、家の中だけも明るく気持ちの良い空間を作ってみてください。