どんど焼きをご存知ですか?どんど焼きは、毎年1月15日(小正月)に行われる事が多く、不要になった正月飾りや書き初めを持ち寄って、皆で燃やす行事です。その火にあたる、またはその火で焼いた餅を食べるとその年は無病息災であると言われています。
このどんど焼きは、いつ頃から、なんのために行われているのか、参加した事はあっても知らない人が多いのではないでしょうか。どんど焼きはこんな行事だとしっかりわかって、参加してみませんか?きっと2018年の良いスタートが切れますよ。
今回はどんど焼きは、どんな行事なのかについて解説します。
どんど焼きはこんな行事
お正月は自分の家に歳神様を迎えて、自分たちの幸福を願う行事です。正月飾りも歳神様の目印になるように飾ります。
お正月が終わる時には、歳神様を天にお帰ししなければなりません。
そこで不要になった正月飾りなどを燃やして、どんど焼きを行います。どんど焼きからの煙が天に昇って行く事で、歳神様が天にお帰りになったと昔の人たちは考えたようです。
呼び名は違っても、内容は同じ!
どんど焼きは日本全国で行われています。
- どんど焼き
- どんと祭り
- 左義長
- ほうけんぎょう
- 鬼火焚き
など、これで同じ内容なのかと思うほど、呼び名も様々です(呼び名はこの他にもありますが、ここでは省略します)。日程も一番多いのは1月15日ですが、1月10日や20日の場合もあります。神社で行われるだけではなく、地域の子供会でやっている場合もあります。
共通しているのは、こんな事です。
- 不要になった正月飾り、書き初めを燃やす
- どんど焼きが終わる事で、お正月が終わりになる(歳神様が天に帰るため)。
- 子供が参加して、子供の無病息災を願う。
- その年の五穀豊穣が祈られる。
バラバラの地域で、名前も違うのに同じ内容で、こんなに多く行われている…本当にどんど焼きは不思議な行事です。
どんど焼きに由来はあるの?
左義長については宮中行事だった事がわかっています。「ぎちょう」と言う名前の杖(元々は毬を打つための杖でした)を3つ立てた所から、「三ぎちょう」と呼ばれ、更に「さぎちょう」と呼ばれるようになったと言います。
宮中では、ぎちょうを3つ束ねて立てた上に、扇子や短冊、書類をつないだものを燃やして、その年の吉凶を占いました。左義長の字は江戸時代になってから当てはめられた、当て字だそうです。
これが左義長の由来です。いわゆるどんど焼きとは内容が違いますね。
みんなが子供を守りたかった!
元々日本には、左義長とは別にどんど焼きが自然に各地で発生して、その地域の人に守られてきたのかも知れません。だから呼び名や開催する日がみな違っているのではないでしょうか。
かつての日本で子供が成長するのは、中々難しい事でした。だから今でも七五三のような子供の成長を喜ぶ行事があるのです。
何とか子供を歳神様に守ってもらおうと考えた人が日本中にいても不思議ではないと私は思います。だからどんど焼きは日本中に発生して、今まで引き継がれて来たのです。
左義長の話を伝え聞いた人が、宮中でも自分たちと似た事をしていると嬉しく思ったのではないでしょうか。
セレブと同じで嬉しくなった?
自分たちがやっていたどんど焼きを、ちょっとオシャレに左義長と呼んでみた人がいたのかも知れませんね。今でも日本人はセレブの皆さんの事が大好きでいつも注目していますから、これはあり得ない話ではないと思いますが、いかがでしょうか。
ネーミングのセンスが光る「どんど焼き」
一番馴染み深いどんど焼きと言う名前は、火を燃やす時に「尊や、尊や(とうとや、とうとや)。」と掛け声をかけたのがなまってどんど焼きと言われるようになった、火をどんどん燃やすからどんど焼きとなったなど諸説あります。
でも、実際に火が燃える様子を見ていると、「どんど」と言うのがぴったり来るのがわかります。火が燃える時の音や、炎の揺らめきから伝わってくるのは「どんど」と言う感じがするのです。
地域によって呼び名に、「とんど」「どんと」「どんどん」など似た言葉がたくさん使われているのは、そのためだと思います。
子供たちのために残して欲しい!
今では子供の数も減ったために、子供会でどんど焼きを行うのは大変な事だと思います。外で火を使うので(当たり前ですが…)安全を確保しなければなりませんから、大人の責任は重くなるばかりです。
でも、子供たちの無病息災と地域の五穀豊穣を願うどんど焼きは、子供たちに大きな思い出を残してくれるでしょう。
そして火の威力を間近で見る事は、子供たちに絶対に必要だと思います。火はガスコンロの小さな火だけしか見た事がないまま大人になる子供が増えています。これからはオール電化の普及でそれすら見た事がない子供も出て来る事でしょう。
火を燃やすとどうなるのか、威力も怖さも存分に感じ取れるどんど焼きは、これから益々大切な行事になるに違いありません。どんど焼きに参加した事がある人も、まだないと言う人も、2018年はぜひお子さんと一緒に参加して下さい!