七草粥は1月7日を人日(じんじつ)の節句として、1年の無病息災を願う日本の伝統行事です。
せっかくだから赤ちゃんにも七草粥を食べさせてあげたい!
でも食べさせるべきなのか不安……そう思う方のために、注意点とポイントをまとめました。
「離乳食の本にゴギョウやハコベラを食べていいかなんて書いてない!」
「いつからあげていいの?初期?中期?後期?」
「注意点はある?」
そんな不安に管理栄養士の立場から回答します。
結論から言うと、後期ごろからなら、ほとんど大人と同じ七草粥を食べても大丈夫。
いくつか注意点がありますので、以下の記事を参考にしてみてください。
離乳食として七草粥をあげるのが心配な方のために、春の七草以外で出来る人日の節句のお祝いの仕方もご紹介します。
七草粥は離乳食後期にあげても大丈夫?
スズナ(カブ)、スズシロ(大根)は離乳食でも定番の野菜ですよね。
でもゴギョウは食べていいか、ハコベラは何カ月からか、離乳食の本にはのっていなくて不安になっている方もいるのでは?
春の七草は全て離乳食に使っても大丈夫です。
しかし、重要な注意点があります。
離乳食では新しい食材を与える時は1種類ずつあげるのが原則です。これは、アレルギー反応を起こした際に原因物質を特定する目的があります。
七草粥を食べると、一度にたくさんの「初めて食材」が入ってきてしまいます。
春の七草でアレルギー反応が出ることはまずありませんが、そういった観点では七草を7種類全て使った七草粥を離乳食として食べさせるのは控えた方がよいでしょう。
初めての七草粥は大根かカブだけにしておくのがオススメです。
いつからあげていいの?初期?中期?後期?
厳密にいつからという基準があるわけではありません。お子様にもよりますが、後期ごろからは七草粥を食べさせている人が多いようです。
離乳食として七草粥を調理する上での注意点は以下の2つです。
●セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザは必ず下茹でしてからお粥に入れること
セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザはアクが強いです。生のままお粥に入れてぐつぐつ煮ると苦みが出ます。
大人が食べる分にはその苦みも春の七草の風味として食べられますが、離乳食ではしっかりと下茹でしてアクを取り除きましょう。
上記の注意点を守れば、アクがなく、大人にとっても食べやすい七草粥が作れます。
不安に感じるなら七草粥をあげる必要は無し!
七草粥は必ずしも食べる必要のあるものではありません。
「赤ちゃんに悪影響はないの?」
「アレルギーは?」
そう思って心配して検索している方が、今このページを見てくださっているケースが多いのではと思います。
特に初期、中期はまだ離乳食を始めたばかりで、食べたことのの無い食材がとても多い時期です。
アレルギーの心配や、調理の負担を考えても、無理に七草粥を食べさせる必要はありません。
七草粥は食べなければいけないものではなく、ただの年中行事の縁起物です。
いつから食べさせていいのか不安に感じるのならば、お子様がある程度大きくなってから、文化として紹介してあげればそれでよいと思います。
離乳食に使える七草粥の代用品アイデア!
そもそも七草粥とは、年の初めに雪の中から出てきた新芽を摘んでその生命力を縁起物とした「若菜摘み」という日本の文化と、中国から伝わった七種菜羹という文化が合わさってできたものです。
日本の行事の元々の意味を辿れば、指定された春の七草である必要はありませんし、7種類入れる必要もありません。
「新年のお野菜を食べましょう」くらいの行事と捉えていいのです。
そう思うと気持ちが楽になりませんか?
年明けに買ったほうれん草を茹でただけでも、立派な人日の節句のお祝いです。
大根のペースト
カブのペースト
ブロッコリーのお粥
カブの柔らか煮
茹でほうれん草
大根のそぼろ煮
以上のようなメニューでも、新年の野菜を使えば立派な人日の節句のお祝いになります。
カブと大根だけのお粥を炊いて取り分けておくのもオススメです。取り分けてから他の七草を入れれば大人用の七草粥も1つのお鍋で出来ちゃいます。料理と洗い物の手間をぐっと減らせますよ。
大切な節句のご飯だからと気を張りすぎずに、気楽に取り入れてみてくださいね。
七草粥は離乳食にあげてもいい?【まとめ】
いかがでしたか?
七草粥は赤ちゃんの成長に合わせて離乳食につかっても大丈夫。注意点は薄味にすることと、よくアク抜きすることです。
赤ちゃんにとって初めての食材ですから、アレルギーが心配であれば七草粥を食べるのはお子様が大きくなってからにしたり、大根やカブなど食べたことのある食材だけで作るのが良いでしょう。
人日の節句としての意味ならば、新年のお野菜をなにか1つでも食べればそれで立派なお祝いです。
食べさせなければと悩んでいる方は、大根1種類でも大丈夫と気楽に考えてくださいね。