新しい住居を構え、いざ「引っ越し」と考え、早々に家具を入れることを考えると思いますが、少し待ってください。
物件によってはバルサンなど害虫駆除剤を使用した方がよい場合があるのです。
結論としては「新居にはバルサンなどの害虫駆除剤を使用する必要ありませんが、建物が古い場合には、バルサンを使用しないよりも引っ越し前に焚くなど対応をしておいた方が賢明」です。
その理由と駆除剤を使用しないことによるリスクを以下に記載しますので、是非ご覧ください。
なぜ引っ越しにバルサンなどの対策が必要なのか
全入居者が退出後は基本、すぐに部屋のクリーニングが行われます。
家賃が高い物件や大手アパート会社などは基本、専門業者を入れて丁寧に対応します。
ただ、家賃が安い物件などは専門業者ではなく、素人(大家さん)などが清掃するため細かく清掃をしない場合があります。
イメージとしてお金が無い学生が住むような物件ですね。
実は私の知り合いにアパート経営を行っている知人がおり(といっても私よりかなり年上ですが)、部屋の退去時に清掃を手伝わされることがあります。
もちろんプロではないので、配管内など細かい部分までは清掃できません。
気が利いた人であれば最後にバルサンを焚いて完全クリーニング。
という形をとる場合もありますが、そのような対応をしない可能性もあります。
引っ越し時のバルサンはしない・するべき?
部屋の中には害虫、特にゴキブリが発生しやすいです。
ゴキブリは卵を植え付けてから2週間で羽化します。
仮に清掃をしていたとしても、どこかにゴキブリの卵があり、引っ越し時には羽化している。
なんてこともありえるのです。
先ほど、家賃が高い物件は安心といいましたが、丁寧に清掃しているので発生しない確率が高いという意味です。
そこを意識しないで部屋の家具を置いてしまったら・・・。
そう考えただけで怖いですよね。やはり、引っ越しの入居前にバルサンなど駆除剤を焚く方が賢明な判断だと思います。
ではいつバルサンを焚くの?
できれば入居の2週間前に1回焚いて、さらにもう1回入居前にバルサンを焚いた方が賢明だと言われています。
これは先に述べたゴキブリの羽化に関係しています。
ただ、現実難しいと思いますので最低でも家具が来る前に1回実施していただきたいです。
例えば家具搬入当日、午前よりバルサンを焚いて、午後に家具を受け入れるなどです。
バルサンなど害虫駆除剤を焚く時の注意点
注意点は2つあります。
火災警報器などをきちんと覆うこと
こちらの対策を行わないと煙を警報機が感知して、サイレンを鳴らします。場合によっては管理会社に情報が行くなど大事になりますので、注意しましょう。
隣人にはきちんと挨拶を
隣の部屋から煙がもくもく出てきたら怖いですよね(笑)。物件が古い場合、部屋のどこかに隙間が生じているある場合があります。
可能性として匂いが隣の部屋に発生してしまう場合があります。
引っ越しの挨拶がてら「入居前に清掃します」と挨拶するネタを見つけたと割り切って、お隣さんに話をつけてしまいましょう。
バルサンの3タイプ使い分け方
バルサンには「くん煙剤タイプ」、「水タイプ」、「ノンスモークタイプ」の3種類があり、それぞれ異なる特徴と用途があります。
以下に詳細を説明します。
くん煙剤タイプ
スタンダードで最も知られているタイプの商品です。
くん煙剤タイプは煙を発生させることで部屋全体に薬剤を行き渡らせるタイプです。
煙が害虫の隠れている場所にも届きやすいため、家全体や大きな部屋、家具の隙間など広範囲に効果を発揮させたい場合に適しています。
ただし、使用時には火災報知器を一時的に停止する必要があり、使用後には換気が必要です。
水タイプ
水タイプは水を使って薬剤を発生させるタイプで、煙が少ないのが特徴です。
火を使わないため、火気厳禁の場所でも安全に使用できます。
アパートやマンションなど、火災報知器が敏感な場所での使用に適しており、使用後の匂いが少なく比較的早く部屋を再利用できる点もメリットです。
ノンスモークタイプ
ノンスモークタイプは煙を出さないタイプで、ミストやエアゾールとして噴射されるものです。
火災報知器に影響を与えないため、煙が出ると困る場所や匂いが気になる場所での使用に適しています。
また、すぐに部屋を使用したい場合や閉め切ることが難しい場所での使用にも便利です。
これらのタイプは、使用する環境や状況に応じて使い分けることで、効果的に害虫を駆除することができます。
例えば、広範囲の駆除にはくん煙剤タイプ、火災報知器が気になる場合には水タイプ、煙が出せない環境ではノンスモークタイプを選ぶと良いでしょう。
バルサンの基本的な使用方法
準備
部屋の片付け:
食品や食器、ペット用品などは全て片付けて、使用前に部屋をきれいにします。
家具の移動:
家具や家電製品を壁から少し離し、煙やミストが行き渡るようにします。
火災報知器の対策:
くん煙剤タイプを使用する場合、火災報知器を一時的にカバーしたり、無効化する必要があります。
使用後は必ず元に戻します。
窓とドアの閉鎖: 窓やドアをしっかり閉め、煙やミストが外に漏れないようにします。
使用
バルサンを部屋の中央に置きます。
大きな部屋では複数個使う場合があります。
缶のラベルを外し、点火装置をセットしてから点火します。すぐに部屋を退出します。
バルサンの上部のフィルムを剥がし、水を注ぎます。薬剤が発生し始めるので、すぐに退出します。
指定された方法でスプレーを噴射します。こちらも部屋をすぐに退出します。
放置
指定された時間(通常2〜3時間)を放置し、その間部屋には入らないようにします。
換気
指定された時間が経過したら、全ての窓とドアを開けて換気します。
30分から1時間程度、十分に換気を行います。
注意点
火災報知器
くん煙剤タイプを使用する場合、必ず火災報知器の対策を行ってください。
誤作動の原因となります。
ペットと植物
ペットや観葉植物は別の場所に移動させてください。
薬剤が有害な場合があります。
食品と食器
食品や食器はしっかりとカバーし、できるだけ別の場所に移動させることをおすすめします。
使用後は食器を洗浄してください。
子供の手の届かない場所に保管
バルサンは子供の手の届かない場所に保管し、使用中も注意を払いましょう。
使用後の清掃
使用後は家具や床を掃除し、薬剤の残留物を取り除きます。
これらの手順と注意点を守ることで、バルサンの効果を最大限に発揮しながら安全に使用することができます。
筆者の経験
私は過去3回引っ越しをして住居を変えていますが、バルサンを焚いたことはないですし、幸い焚かねばならない事態には遭遇していません。
ただ私はアパート清掃を請け負っており、本当にこの前ですが大量のゴキブリ(小)と対峙することになりました。
私は特定のアパート清掃管理を任されており、その部屋の間取りは見慣れていました。しかしその日、部屋に入った瞬間に嫌な気配を感じました。
いつもと何かが違うと。
その部屋は2階でロフトがあります。
私はいつもロフトから清掃するのですが、床面にゴキブリの死骸を数十匹発見しました。
直径1㎝満たない小さなゴキブリです。
おそらく室温に耐えられず、息絶えたのでしょう。アパート清掃を進めていき、水回りの洗面台に取り掛かりました。
そこで嫌な予感がさらにしたのです。「来るぞ!」洗面台の蓋を開けた瞬間に「ワッ!」と・・・
うん。そんなこともあるのです(笑)。
ただその物件は本当に安い物件で老朽化もしていたので、珍しいケースだと思います。
配管内はさすがのバルサンでも太刀打ち出来ませんが、それでも焚いた方が良いように感じています。
引っ越し時のバルサンはしない・するべき?【まとめ】
新築に引っ越す場合は無理にバルサンなどしないでも良いと思います。
ただ築年数が古い場合、害虫が湧いている場合がありますので、バルサンなどの駆除剤を使用した方が賢明です、ただし実施する場合は、警報機や隣人などに注意を払って実施してください。
そのような対応をしない場合は二重に負担が増えますので注意しましょう。