ろうそくといえば白のイメージですが、以前に綺麗な黄色のろうそくを見たことがあります。
蜜蝋(みつろう)高級ろうそくと表示がありました。
蜜蝋とはミツバチが作る天然のワックスです。
蜜蝋は有害物質を含まずにすすも出ないので、ろうそくの素材としても人気があるようです。
驚いたのは、そのろうそくの色だけではありません。
箱に入っている、ろうそくの数です。
48本入りということだったので、なぜキリのいい50本にしないのだろうかと疑問をもちました。
1ダースの4倍?
48という数字に何か意味はあるのでしょうか。
お盆のろうそくが48の意味とは?
地域差はあるものの一般的にはお盆は8月13日から16日までです。
お盆には祖先や故人の魂がこの世に戻ってくるということで、私たちは供養のために供え物や仏花などの準備をします。
また墓参りに行きます。
昨今コロナを機に時代は大きく変わり、お盆の古い風習が消えつつありますが年に一度の故人の里帰りを大切にする地域もあります。
初盆から3年、ろうそくを48本並べて故人を迎える地域があるらしいのです。
それは八戸を中心とした岩手県北部と京都の一部の地域だそうです。
年に一度の里帰りに慣れていない故人が、道に迷わずに戻って来られるように、48本のろうそくを道標にするのです。
故人の魂も3年が過ぎたら迷わずに里帰りができるでしょう。
でも最初の3年はろうそくを頼りに帰って来てもらいましょうということです。
この風習を48灯篭(四十八灯呂)と言います。
故人に対する「おもてなし」と言うことができますね。
48という数字には何か意味がある?
仏教では数字に意味があります。
大晦日の除夜の鐘は108回ですよね。
これは人間の煩悩が108個あることから由来しているそうです。
では48という数字は何を表しているのでしょうか。
それは阿弥陀仏が法蔵菩薩だった修行時代に、仏になるために立てた願いが48個だったからだと言われています。
その願いを仏教では本願と言い、ろうそくを48本にする理由はそこから来ているようです。
48灯篭のやり方は?
48灯篭では、ろうそくをどのように並べるのでしょうか。
やり方には決まりがあるのでしょうか。
一般的には、3段から4段に組まれた木の台座に48本のろうそくを灯します。
ろうそくは段になった台座を作らず、ずらりと並べる場合もあるようです。
特別な決まりはありませんが、揺れ動く炎を見ながら在りし日の故人を偲ぶのが目的です。
故人との思い出話こそ何よりの供養となるでしょう。
お盆のろうそくが48本の意味とは?【まとめ】
48という数字が、阿弥陀仏が修行時代に立てた本願の数だったとは感慨深いですね。
私たちも、ある意味修行の身です。
修行して魂を成長させるために今世を生きています。
あなたには、幾つの願いがあるでしょうか。
この世で幾つの願いを成就できるでしょうか。
この記事がそんなことを考えてみるきっかけになれば幸いです。
最近では、ろうそくも線香も危ないからという理由で安全な電池式のものが増えてきました。
あらゆることが簡素化されて少し寂しい気持ちになりますね。
お盆の様々な風習もどんどん減ってきています。
しかし西洋占星術では2021年から風の時代が始まったとされています。
風の時代というのは目に見えないものに価値を置く時代だそうです。
私たちが穏やかに過ごせるのも、ご先祖様からのご加護を受けているからでしょう。
特にお盆には、そのことに目を向けて感謝の気持ちを何らかの形で表したいですね。
お墓参りに行けなくても灯篭ができなくても、心の中にろうそくを灯して「いつも見護ってくださり、ありがとうございます」と感謝の気持ちをご先祖様に伝えましょう。
大切なのは形ではなく気持ちです。