地方によって正月飾りをいつまで飾るのか、違いがあると言う事をこの年齢(53歳)になって初めて知りました。正月飾りをいつまで飾るかで、お正月の長さが違ってきますから、これは大きな問題です。
大きく分けると京都・大阪に代表される関西地方が1月15日まで正月飾りを飾るのに対し、関東では1月7日までです。これは江戸時代に徳川幕府の都合で、それまでは全国共通で15日まで正月飾りを飾って良かったものを7日までに変更したのです。
もっと西、九州へ行くと、また違った風習があり、正月飾りを飾るのは1月7日から15日までとバラバラです。それでは北海道はどうでしょうか。東と西に分けるなら、北海道も東日本です。つい最近まで海を渡らなければ行けなかった北海道も、関東と同じ風習なのか気になります。
今回は北海道で正月飾りを飾るのはいつまで?について解説します。
北海道のお正月は関東と一緒?
北海道では1月7日まで正月飾りを飾ります。1月7日までが松の内で、その後に正月飾りをしまいます(松の内とは、お正月に家にいらっしゃる歳神様の目印になるように、門に門松を立てる期間のことです)。
それなら、関東と同じ風習と言う事になります。
元々北海道は、日本全国から移住してきた人たちが開拓した土地です。だから北海道の方言は日本各地の方言の特徴が入り混じっているそうです。お正月に関する風習も、移住してきた人たちによって作られたのではないかと思います。
移住した人の割合で1番多いのは、青森県、次は新潟県だと言う事です。このどちらの県も松の内は1月7日までなので、多数派の風習が北海道でも常識になったのかも知れません。
それでは、北海道は関東と全てが同じ風習なのかと言うと、そうでもないのです。
関東よりも合理的なお正月!
関東で1月7日に正月飾りをしまうと、どんど焼きはだいたい1月15日ですから、それまでは家の中に正月飾りを保管しないといけません。でも、北海道では1月7日から15日までどんど焼きを行う神社があります。
札幌市の手稲神社です。
他にも2016年のどんど焼きの開催日を見ていると、1月20日の神社もありました(札幌市の大谷地神社など)。
どんど焼きは年に1回しか無いと思うから、不要になった正月飾りを出し忘れたら大変、と気がきではないのですが、1週間もどんど焼きをやっていると思えば、気が楽になりますね。
関東地方に在住の私としては、羨ましいです。北海道では、風習や神様に振り回されるのではなく、あくまでも人間がやりやすいようになっている、人間が主体のお正月を過ごしているように思えます。
どんなお正月にするか、決めるのは人間
どんど焼きは歳神様を天に帰すために行われます。歳神様が帰ってしまえば、正月飾りは不要になるので、どんど焼きで燃やすのです。どんど焼きが終わればお正月は終わりです。
1週間のどんど焼きのどの日を選んでも良いと言うのは、お正月をどんな風に終わらせるかを自分で決められると言う事です。これは中々合理的だと思います。伝統行事を自分たちがやりやすいように変えて行くのは、北海道に住んでいる人たちの性質だと聞いた事があります。
会費制の結婚披露宴も発祥は北海道だそうですが、何もなかった北海道を一から作った人たちだから、お正月も自分たちならではの行事にしたのだと思います。
北海道のお正月は進化形
北海道に一般の人が移住してくるようになったのは、明治以降の事です。比較的新しく作られたお正月の風習は、日本で一番進化したお正月を作ったのかも知れませんね。
寒さ厳しい北海道ですから、正月飾りをしまうのも、どんど焼きも思った通りに行かない事もあるかも知れません。もしかしたら、北海道でどんど焼きを1週間もやっている神社があるのは、合理性だけではなく、厳しい自然に合わせての事なのかも知れません。
北海道の人たちは、伝統や風習には縛られない合理性を持っているけれど、厳しい自然には逆らわない懸命な人たちなのではないでしょうか。北海道はいつまで正月飾りを飾るかを考えると、北海道に住む人たちの姿が見えて来ますね!