子どもの入学式。子どもや保護者が胸につける花がありますよね。
この花の名前は「コサージュ」と言います。
古く中世ヨーロッパ時代のフランスが発祥で、現在日本まで広がっています。
今回の記事ではコサージュの名前の由来やつける意味などの歴史からコサージュの選び方やつけ方まで、徹底解説いたします。
入学式に胸につける花=コサージュとは
コサージュの名前の由来
コサージュとは、洋服の襟元や胸、肩などにつける花飾りのことです。
起源は中世ヨーロッパ時代のフランスです。婦人服の身頃・胴部や胴衣のことを指す「corsage(コルサージュ)」が語源になっています。
このコルサージュというのも「bodice(ボディス)」と呼ばれて15世紀にヨーロッパで女性が着用していた胴着という意味の言葉でした。
女性たちはその胴着に花を装飾して着飾っていました。
この花飾りが胴着につける花束を意味する「bouquet de corsage(ブーケ ドゥ コルサージュ)」と呼ばれ始めます。これは胴衣の花束という意味になります。
その後時間がたつにつれて、19世紀後半頃から、もともとの言葉が短くなり、現在使われている装飾のために見頃につけられる花を「corsage(コサージュ)」という呼ぶという形になったとされています。
コサージュの意味
中世ヨーロッパでは、花で着飾ることは「病気や悪い魂を追い払う」「将来の安全や健康を守る」などの意味が含まれており、16世紀から17世紀にかけてコサージュは毎日つけられることもあるぐらいでしたが、時代の移り変わりとともに結婚式や卒業式などの重要な式典でのみ、貴婦人がコサージュがつけるようになりました。
このような中世ヨーロッパ時代の慣習が日本にも広がってきて、入学式や卒業式、結婚式といった、主に祝福を表すフォーマルな場面で装われるようになりました。
私の子どもの入学式の話ですが、保護者が子どもへコサージュをつける、という式典の前のイベントがありました。
これは推測にはなりますが、保護者からのお祝いの気持ちを込める、お祝いの気持ちを添える、といった優しい気持ちを伝える儀式的なものだと思いました。
入学式ではどのようなコサージュが良い?
明確なルールはない
決まりきった明確なルールはありませんが、入学式や卒業式では主役は子どもですから、保護者が華美になりすぎないことは大前提ですね。
入学式は4月に行われるので、春の季節感を演出したい場合には、薄いピンクで桜色を表現するのはいかがでしょうか。
他にも、明るくて優しい色の淡い色が春らしくておすすめです。
白、黄色、ベージュ、などの暖色系や、水色や薄い紫も良いでしょう。
NGなコサージュ
入学式のスーツがダーク系の色の場合、スーツに合わせて黒っぽい色のコサージュは喪をイメージさせるので、避けましょう。
赤やオレンジ、濃いピンクなども目立ちすぎるのでNGです。
ラメが入ったものやお花以外の飾りが多いもの、キラキラテカテカしている光る素材、フェルト生地も不向きです。
コサージュのつけ方
入学式や卒業式など、フォーマルな式典では、スーツやドレスを着ていていることがほとんどです。そのなかでコサージュをつけていると華やかさがぐっと出ます。
つけ方によって印象が異なるので、コサージュのつけ方をみてみましょう。
左側につける
左右どちらにつけるか、悩むことが多いかもしれませんが、自分から見て、左側につけるのが基本です。
多くの人は、視線を右側(自分からは左側)に向けやすく、より目に入りやすい場所にコサージュをつけた方が印象に残ると考えられているそうです。
また、右利きであれば左側のほうが付けやすいということも関係していると考えられます。
名札やバッジなどのアイテムも左側に付けるのが一般的ですので、コサージュも同じという考え方です。
ただ、左利きであれば右側のほうがつやすいということでしたら、右側につけても問題ないので、つけやすさや好み、コサージュの種類に応じて考えてみましょう。
鎖骨に近いところにつける
厳格な決まりきったルールはありませんが、コサージュがより映える場所は胸より上の鎖骨に近い高さです。
鎖骨周辺につけるのは、襟のない服の場合で、襟のある服の場合、襟部分にコサージュをつけることになります。
コサージュは自然と視線を集めるため、高めの位置にコサージュがあると相手の視線が上がってスッキリしたスタイルに見えたり、顔の近くにあると、明るく華やかな印象を持たせたりする効果があるようです。
入学式に胸につける花ってなに?【まとめ】
入学式に胸につける花=コサージュは古く中世ヨーロッパ時代の慣習から日本にも広がったもので、祝福を表すフォーマルな式典で使われています。
式典の雰囲気によって季節感を表すならば、入学式では薄いピンク色のコサージュが最もポピュラーでおすすめです。
コサージュ選びから、選んだ意味まで持たせることで、入学式がより特別な式典になりますよ。