寒中見舞いとは、寒さが厳しくなる季節に相手の体調を気遣い、健康を祈るのに出す挨拶状です。
寒中見舞いは喪中の時に年賀状を出せなかった時の代わりにもなるため、とても便利なのですが、あまり書くことがないのでマナーが分からない方も多いでしょう。
今回の記事では寒中見舞いに、年賀状のような「本年もよろしくお願いします」と書くのはNGなのか、昨年のお礼を入れても良いのかについて解説していきます。
寒中見舞いで「本年もよろしくお願いします」はNG?
差出人住所、差出人氏名は裏面に記載することが基本です。よって宛名面への住所氏名は不要になります。
寒中見舞いの裏面には基本の形があるので、それに沿って書くと間違いがありません。
※寒中見舞いの基本形
②相手を気遣う、近況を尋ねる言葉
③自分の近況を相手に知らせる
④今後の付き合いを願う言葉
⑤日付
ではこちらに則って、寒中見舞いの例文を2つ載せてみます。
例1:
寒さ厳しき折 いかがお過ごしでしょうか
ご服喪中と伺いましたため 年始のご挨拶は差し控えさせていただきました
いましばらくは寒さが続くかと思いますので くれぐれもご自愛くださいませ
本年もよろしくお願い申し上げます
令和〇年 一月
例2:
向寒の折 皆様にはお変わりございませんか
喪中のため 年始のご挨拶を差し控えさせていただきました
旧年中のご支援に深く感謝いたしております
本年も変わらぬおつき合いの程よろしくお願い申し上げます
令和〇年 一月
つまり④の部分で「本年もよろしくお願いします」といった、今後の付き合いを願う言葉を入れることや、昨年のお礼を入れることも可能というわけです。
寒中見舞いの書き方で気をつけること
まず、寒中見舞いは縦書きが一般的です。表面と裏面は書式を揃えるのが基本なので、宛名も縦書きにした方が良いですね。
先程述べたように、寒中見舞いには基本の形があり、お便りには定番の「拝啓」などの頭語「敬具」などの結語は入れません。
また年賀状で使う賀詞である「謹賀新年」や「謹んで新年のお慶びを申し上げます」といった言葉を使うことはできません。
ハガキ自体も年賀状のような、干支など新年を感じさせるものは載せず、全体的にパステル調など優しいものを選んで、きらびやかなものは避けましょう。
喪中関係の寒中見舞いの注意点
喪中関係の寒中見舞いには、次の3点の注意が必要になります。
※行頭の一字下げはしない
※数字は漢数字で表記する
また基本形の③である「自分の近況を相手に知らせる」については、特に喪中の時には配慮が必要です。
久しぶりのお相手に、結婚や出産といったお祝い事の近況報告をしたくなる気持ちは分かりますが、喪が明けてから改めて報告しましょう。
寒中見舞いに「本年もよろしくお願いします」や昨年のお礼はNG?【まとめ】
・寒中見舞いには基本の形があり、それに沿って書いていくと「今年もよろしくお願いします」といった文章が入る
・寒中見舞いには新年を感じさせる干支などは使わない
・ハガキ自体も年賀状のようにきらびやかなものは避ける
・喪中関係の寒中見舞いには、結婚や出産などのおめでたい報告は控えたほうが良い
今回の記事では、寒中見舞いに「今年もよろしくお願いします」や昨年のお礼を入れても良いかどうかについて考えてみました。
むしろそういった言葉は必要で、必ず書くべきだと分かりました。
冬の挨拶とともに、昨年のお礼と今後のお付き合いを願う言葉を入れて、これからも良い関係を築けるように寒中見舞いを出してみましょうね。