病気療養中の相手に送る年賀状や寒中見舞いは、いつもより気を使いますし、失礼に当たることはないか不安ですよね。
また、自分が病気の場合も、相手に過度な心配させない様に気を使いますね。
この記事では「病気療養中」というシーンでの「年賀状」や「寒中見舞い」の書き方やマナーについて解説をしていきます。
寒中見舞いを病気療養中の相手に出すのは失礼?
毎年、年賀状を送りあっている相手が今年は病気療養中という場合、「新年を祝う手紙」である年賀状を送っても良いのか悩みますよね。
結論からいうと、病気療養中の方に年賀状を送る事はマナー違反にはなりません。
ただし病状や状況によっては少し考慮が必要でしょう。
例えば、「がんを宣告されたばかりの方」や「病気療養中の家族がいて現在危篤の状態」などの場合だとします。
そのような相手に「新年あけましておめでとうございます」という内容のハガキを送るのは少し気が引けますね。
こういった場合は、少し落ち着いてきた頃に「寒中見舞い」で挨拶をすると良いかもしれません。
「寒中見舞い」であれば、季節の挨拶状ですので「お祝い」というイメージがありません。ですから、病気療養中の方への手紙としても違和感なく送ることができるでしょう。
病気療養中の相手に寒中見舞いを送るときの注意点
忌み言葉の使用に注意する
病気療養中の方への手紙で気を付けなくてはならないことは「忌み言葉」や「重ね言葉」の使用です。
忌み言葉とは「別れ」や「不幸」を連想させるような言葉のことです。重ね言葉とは「いよいよ、重ね重ね」など同じ意味の言葉を重ねた言葉です。
「病気」や「苦」を「繰り返す」というイメージがあり縁起の悪い言葉になります。
この様な言葉は悪気なく使ってしまったとしても、受けとった側としては気持ちの良いものではありませんね。
特に病気療養中は、気持ちがセンシティブになっていることもありますので、こういった言葉の使用には細心の注意を払う必要があります。
忌み言葉:死ぬ、苦しい、弱る、衰える、終わる、消える、落ちる、長引く失う、再び、4(死)、9(苦) など
重ね言葉:度々、ますます、くれぐれ、いよいよ、しばしば、重ね重ね、再三 など
ハガキのデザイン
病気療養中の方へハガキを出す際には、ハガキのデザインにも気を使えると良いです。
例えば、今年赤ちゃんが生まれた夫婦が赤ちゃんの写真入りの年賀状を用意していたとします。
病気で辛い思いをしている方がそのハガキを受け取った場合、素直に「かわいいな」「幸せそうで良かった」と思うことが出来ないかもしれません。
ですから、病気療養中の方には別のデザインのハガキで送る方が無難でしょう。
それとは反対に、あからさまに暗いデザインのハガキも気分が落ち込むので控えた方が良いでしょう。
送る相手との関係性や病状にもよると思いますが、状況に合ったデザインのハガキを選ぶようにしてください。
お祝いの言葉
寒中見舞いを病気療養中の相手へ出す場合はお祝いの言葉は避けましょう。
また、少し話がそれますが、もし病気療養中の方に年賀状を送る場合に「あけましておめでとうございます」という言葉を使うことはマナー違反にはあたりません。しかし、躊躇われる場合は「新年あけましておめでとうございます」に変わる言葉として「謹賀新年」「賀正」「迎春」などの言葉を使いましょう。
病気療養中の相手への寒中見舞いの書き方
病気療養中の方への手紙には「相手の身体を気遣う言葉」「励ます言葉」「回復を願う言葉」などを一言いれると良いでしょう。
ただし重い内容になりすぎないように、さらっと書く程度に留めておきましょう。以下に例文をご紹介します。
寒中お見舞い申し上げます
療養中と伺いましたがお身体の調子はいかがでしょうか
1日も早いご快復をお祈り申し上げます
寒さの厳しき折、ご自愛ください
自分が病気療養中の時に送る寒中見舞い
自分が病気療養中の場合、体調が思わしくなく年賀状を書く気力や体力がなかったら無理して年賀状を出す必要はありません。
病状が回復して元気になってから、年賀状を出せなかった理由を伝えたうえで挨拶状を出しましょう。例えば寒中見舞い(余寒見舞い)でしたら、松の内を過ぎたころから3月上旬までの期間に出すことができます。
文章の内容は「暗い内容にならないように」「相手に気を使わせないように」ということを意識して書くと良いでしょう。
また、相手との間柄にもよりますが「病名や病状」について詳しく書く必要はありません。
さらに、お見舞いに来てくれた相手や特別お世話になった相手がいる場合は、パソコンで打った文字ではなく手書きで書くと心のこもった印象になるかと思います。
以下に例文をご紹介します。
寒中お見舞い申し上げます
ご丁寧な年賀状をいただきありがとうございました
病気療養中の身であったため、ご挨拶が遅れ申し訳ありません
お陰様で身体の調子も快方へ向かっております
寒さの厳しい折、風邪など召されませぬようご自愛ください
寒中見舞い!病気療養中の書き方とは?【まとめ】
病気療養中というシーンでの寒中見舞いの書き方には形式的なマナーはあまりありません。
大切なことは、普段よりもより一層、相手の「気持ち」を考え「心遣い」をすることであると思います。
「相手が病気療養中」という場合は、病気で気落ちしてしまっている可能性がありますので、「相手がこのハガキをもらった時にどう思うか?」ということを意識して、「送る時期」や「書く内容」、「ハガキのデザイン」を考えてみると良いでしょう。
また、「自分が病気療養中」というときは無理せず落ち着いてから、「相手に心配をかけない」ということを意識して書くと良いかと思います。
もらった相手に喜んでもらえるように、普段よりも特別な「心遣い」をしてみてください。