お恥ずかしながら松風焼きの読み方をずっと間違えておりました。「しょうふうやき」と。
「まつかぜ焼き」と読むのですね。まだまだ勉強不足の今日この頃です。
松風焼きと聞いて、おせちに入っている様子が浮かぶどころか、パッと松風焼きが浮かびませんでした。なんだっけ?という感じです。
四角い形の松風焼きですが、見た目ひき肉で作られている感じがしませんでした。
今回はこの松風焼きについて、調べていきたいと思います。
松風焼きとは
肉のすり身やひき肉につなぎとなる卵や調味料を加え、成形してから焼いたものを松風焼きと言います。
表はけしの実やゴマ、青のりなどが散らしてあり豊かな反面、裏には何もありません。
鶏肉を使っている場合には鳥松風といわれることもあります。
松風焼きの別名、のし鳥とも呼ばれますがこれは縁起の良いのし袋から来ておりよって、松風焼きも縁起の良い食べ物ですね。
出来上がりの形を四角形や羽子板の形に成形することから、末広がりの縁起の良いものとしておせち料理には羽子板状にして出されることが多いです。
末広がりには「幸せが長く続きますように」という幸福祈願が込められています。
味噌松風という食べ物がありますが、これは京都で有名な焼き菓子になります。
松風焼きとは似ていますが、全く関係はありません。
松風焼きの意味
おせちに入る松風焼きにはどのような意味があるのでしょうか。
表にはけしの実や青のりが散りばめられ豊かな反面、裏は何もありません。
裏には何にもないことから隠し事なく、正直な生き方が出来るようにとの意味が込められています。
また、1年を真っ直ぐに生きられるようにとの意味もあります。
松風焼きの由来
松風焼きにはとてもとても切ないいわれがあるのをご存知ですか?
松風焼きのいわれとは、在原行平と松風という女の人との物語からきているといわれています。
時は平安時代まで遡ります。
須磨の裏という場所で2人は恋に落ちました。ところが、行平が都に帰らなくてはいけなくなりました。
松風も行平はもう帰ってこないと知りながら、浜辺の一本の松の木を行平であると自分に言い聞かせました。
松風焼きの裏面は何もなくて寂しいことと、浦が寂しいという松風の様子を重ねて、松風焼きとなったようです。
「浦は寂しい松風の音」なんていう言葉もありますね。
松風焼きにはこのようないわれがありました。たしかに松風焼きはおせちの他の料理に比べて、少し寂しい雰囲気をもった一品ですよね。
このようないわれがあることが納得してしまいます。しかし、裏がない、つまり正直であるという意味はとてもすてきで人としてとても大事な事であるように思います。
松風焼きの簡単な作り方
松風焼きはフライパンやオーブントースターの調理器具で作ることが出来ますが、四角い形にしたいのであればオーブンレンジが簡単です。
具材を混ぜて調味料を入れ、型に流し込みオーブンレンジのボタンをピッと押すだけで均一に火が通ります。
焼き過ぎ防止のために時々確認は必要ですが、確認するだけで良いのでとても簡単です。
松風焼きがおせちに入る意味【まとめ】
松風焼きはおせちだけに限らず、普段の食事のおかずにもなりそうなメニューで、ぜひこの機会に私も作ってみたいと思いました。
鶏ひき肉のハンバーグと言った感じでしょうか。
しかも、基本の作り方に野菜やチーズ、豆腐を足してアレンジしても美味しくなりそうですね。
松風焼きにはいわれがありましたが、なかなか現代では松風のような経験は少ないように思います。
松風の気持ちを思うと切なくなると同時に、現代の生活のありがたさが身にしみました。自分の周りの人やものに感謝しながら、松風焼きをいただきたいものです。