みなさん、松風焼きって知っていますか?
おせちに入れる料理の品目の一つらしいのですが、私は全く知りませんでした!(笑)
大体このような記事を書くときには、一度写真を見て実物がどんなものなのか確認をすることにしています。
…松風焼きはなんというか、写真だけではどんなものかイメージがしにくかったです…。
串に刺さっているものもあれば、ゴマのようなものが上にたくさん乗っていたり、具たくさんの卵焼きに見えたりもします…。
形は大体きれいな四角形でしたが、視覚的な情報から得られるのはこれくらい…。
ということで、今回は「松風焼き」について、その意味や由来など、少しずつ深堀していきましょう!
おせちで見たことある?松風焼きとは…?
松風焼きとは、そもそも「松風」という和菓子を模して作られるおせち料理です。
ひき肉や、お肉のすり身などを、味噌や砂糖といった調味料とあわせた卵と混ぜて、型に入れ、表面にケシの実や、ごま、青のりなどをまぶしていただきます。
鶏ひき肉を使う場合には、鶏松風とも呼ばれます。
四角くなった和風のオムレツを想像するとわかりやすいかもしれません。
シンプルな調理法で、想像だけでもとってもおいしそうなのに、売られているおせちの中にもみたことがないですね…。
おせちというと色とりどりで綺麗なイメージが大きいですよね。
卵の鮮やかな黄色が、その見た目をより一層華やかにしてくれます。
松風焼きは、基本的には四角形や羽子板(はごいた)の形になるように整えられます。
日本料理のコースなどに出てくるときは四角形が多いようです。
松風焼きをおせちに入れる時には、「末広がり」で縁を担ぐために、羽子板の形を模すみたいですよ。
おせちに入る松風焼きの意味とは?
それでは、おせちに入れられる松風焼きにはどんな由来や意味があるのか、深堀りしていくことにしましょう!
ところで皆さん、平安時代の頃から残る日本の誇るべき文化と聞いて何が思い浮かびますか?
中学や高校で一通り勉強したはずの古文、…覚えていますか?
今、品詞分解などしながら読むように言われたら、高校を卒業してもう3年になるので、さすがに私ももう読めません(笑)。
この古文の中で「和歌」というものを勉強したと思います。
そう、松風焼きは「能の松風」という話が名前に由来しているんです…!
小倉百人一首のひとりである中納言行平(在原行平₍ありわらのゆきひら₎)は、須磨の浦(すまのうら・現在の兵庫県神戸市)で出会った松風という女性と恋に落ちました。
しかし、行平が京に戻る際に、恋人の松風に会えなくなってしまい、彼女を思って詠んだ言葉がありました。
その言葉の中に、【松風(待つ風)ばかりで浦さびし】というフレーズがあり、それが由来で料理にも名前が付きました。
とってもロマンチックだと思いませんか…?
おせちに入っているだけでも特別感があるのに、すごく風情がありますよね。
こんなに切なくも素敵なエピソードがあるなんて、本当に調べる機会があってよかったです!
続いて、松方焼に込められた意味についてご紹介します。
松風焼きは表面にケシの実や青のりなどをまぶすの華やかに見えますが、裏側にはなにもされません。
そのため、「裏や、隠し事をしない生き方ができるように」という意味が込められています。
松風焼きの読み方って結局どっちなの?
松風焼きという単語の読み方は、「まつかぜやき」でしょうか?
それとも「しょうふうやき」でしょうか?
一応、「松風」という熟語だけで見ると、「まつかぜ」と読んでも、「しょうふう」と読んでも問題ありません。
しかし、一般的には「まつかぜ」と、訓読みすることの方が多いようです。
「松風焼き」に関しても、「しょうふうやき」とはあまり読まず、「まつかぜやき」と読むのが主流です。
また、地方によって「松風」という地名も読み方が2パターンに分かれているんです…!
松風(まつかぜ)という読み方の地名は、北海道・神奈川県・愛知県・岐阜県・大阪府・兵庫県・埼玉県の町名に用いられています。
松風(しょうふう)と読む地域は、栃木県・大阪府・兵庫県・京都府にあります。
同じ県内でも、読み方のちがう二つの町があるなんて、ちょっと大変ですね…。
どうせなら統一してほしいなぁとは思いますね(笑)。
おせち料理の松風焼きの意味とは?【まとめ】
いかがでしたか?
私にとっては、初めて知った料理の松風焼き、まだ写真でしか見たことのない料理名ですが、作り方もとてもシンプルなようなので、機会があれば今度、実際に作ってみたいなぁと思います。
松風焼きは、おせち料理にもありますが、和食のコース料理の中の一品としても楽しむことができます。
個人的には、料理名に込められた意味や、由来のエピソードがとても素敵だなと思いました。
昔の人のお話が料理名にも映るなんて、日本人ならではの風情や感性・趣きの賜物だと思います✨
いつもと違ったおせちを楽しみたい方は、ぜひ松方焼を取り入れてみてはいかがでしょうか?