お正月のシンボルとも言える、おせち料理の中にドーンと入っている海老。
私には赤く色鮮やかな海老がおせちの中で目立っているイメージがあり、おせちの中でも主役級と言ってもいいのではないでしょうか。
この海老にもおせちに入れる意味がちゃんとあって、頭のある海老を使うことや海老の種類もある程度決まっているのです。
ところで、おせち料理を手作りしている方なんかは、「おせちの海老の頭なしはダメ?」なんて疑問を思った方がいるかも知れません。
今回は、こんな疑問も含めて、おせち料理の海老について一つずつ見ていきたいと思いますので、是非最後までお付き合いください。
おせちに海老が入る意味
おせちに海老が入るようになったのはなぜでしょう。
海老は縁起の良い食材として古くから日本に根付いている食材です。
ひげが長く、腰が曲がっているため老人に例えられ、漢字で書くときに「老」という字が使われています。
長寿の象徴として、ひげが長く伸びるまで、腰が曲がるまで、長生きできますようにとの願いが込められていて、縁起物としておせちに入るようになりました。
おせちの海老の頭なしはダメ?
お店で売られている海老には、無頭海老と有頭海老がありますよね。おせちには一般的に有頭海老が使われます。
その理由を以下にまとめました。
頭なしだと、おせちに入れる意味がない
海老は長いひげがあるので老人にたとえられ、長寿の象徴として縁起が良いということでおせちに入れられていますよね。
頭なしだと、長寿の象徴である長いひげがなくなってしまうため、おせちに入れる意味がなくなります。
おせちの海老は有頭海老でないといけないのです。
頭があるほうが見栄えがする
おせちはお重に料理を詰めて、食卓に出すものです。
正月の新年のお祝いの場で普段の料理とは違った贅沢なおせちを囲む、このおせちの中に海老が入ることにより、さらに見栄えが良くなります。
他の料理に比べ、海老の色鮮やかな赤は、詰めたときに目を引き、海老の存在感が感じられるのではないでしょうか。
この海老が頭なしだと、小さな身だけが残り、海老の存在感がなくなります。
おせちに入る海老は、見栄えの面から考えても頭があったほうがよいでしょう。
頭があるほうが味がよい
海老の頭には味噌が詰まっているので、調理するときに味噌入りの頭があることでいい出汁が出ます。
この出汁を使わない手はありません。頭なしだと、この美味しい出汁を味わうことができなくなります。
おせちに適した海老の種類
おせちに入れる海老は、小ぶりの海老よりもある程度大きさのある海老のほうが好まれます。
海老は生食もいけますが、おせちは正月三が日の間食べるものなので、火を通して食べましょう。
おせちに使われる海老は「車海老」が一般的で、見た目が華やかでお祝いに最適な伊勢海老やブラックタイガーなども使われることがあるようです。
伊勢海老が入っていたら、かなり豪華になりますね。
他の「芝海老」や「桜海老」は小さすぎるので、おせちには向かないでしょう。
注意が必要なのは、海老の調理です。
海老は腰が曲がった形になっているからこそ長寿の象徴とされるので、胴体がまっすぐになっているのでは意味がありません。海老を調理するときは、胴体を伸ばさずに、曲がったままで調理します。
海老の詰め方
おせちの海老は、お重の中で頭の向きを揃えてきれいに詰めます。
ひげなども同じ方向を向くように揃えます。また、ぎゅうぎゅうに詰めると海老が苦しそうに見えるので、ちょうどいい量を詰めるようにしましょう。
おせちの海老の頭なしはダメ?【まとめ】
書いてきたことをまとめると、おせちの海老は、新年を迎えるにあたってみんなの健康や長寿を願っておせちに入れられる縁起物ですね。
ひげが長寿の象徴である、見栄えが良い、いい出汁が出るといった理由から、頭がついた海老を入れることが一般的です。
種類は車海老や伊勢海老を使い、調理の際のポイントは腰が曲がった状態にすること。
「長寿」の象徴であるためここが重要です!
お重に詰めるときは頭の向きやひげの方向を揃えてちょうどいい量を詰めるようにしましょう。